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人を知る「お前と会う理由がないからだよ」。立ち直れないほどショックな言葉が飛んできた。サイトから問い合わせがあったお客様に電話をかけ、来店を促すのが私の仕事。なのに、連絡が途絶えることが続く。行き詰まって先輩に相談すると、冒頭の一言を言われたのです。家を買いたいと思ってわざわざ問い合わせをしてこられたのに連絡がなくなるというのは、私に原因があるのは明白。それまでの自分を振り返り、どうしたらいいか考えました。そこで一つ、単純なことに気づきました。私はお客様からの問い合わせ内容に目を通し、話す内容を整理する程度の準備で電話をしてしまっていたことに。これではお客様の心を掴めるわけがない。私に会いたいと思っていただけることをやろう！と、行動を変えました。必要最低限の準備から、お客様一人ひとりに合った話の準備をはじめたのです。前よりはるかに時間はかかるのに不思議と苦ではなく、残業なしを目指すの今の環境では時間が足りず大変です。一気に仕事がおもしろくなり、気づくとお客様も離れなくなっていました。
1年目の2月、シングルマザーのA様からお問い合わせがありました。気に入らないことは気にいらないとはっきりおっしゃる方で、警戒心を持たれていることが伝わってきました。その警戒心を解きA様のことをしっかり知るため、ていねいに話を聞いていきました。自分も母子家庭であることや、他愛のない話題も交えながら。次第にA様の肩の力が抜けていくのがわかりました。通常の流れであれば、私はお客様と直接面談をすることはなく、電話で来店のアポイントを取ったあとは、別の営業担当が接客をすることになります。しかし、その旨を伝えると「嫌です！」と言われ、最後まで私が担当することになったのです。「お前と会う理由がないからだよ」と言われてから数ヶ月。私でないと嫌だと言っていただき、心底うれしかった。物件決定の際も、不安材料となりうることを調べてお伝えしようとすると「そんなこと聞かなくて大丈夫。為我井さんだから」と言われました。今後もこんなふうに言っていただける仕事をしていこう！そう強く心に決めた経験でした。
私は入社前から「人に頼られる人になりたい。そのために人にやさしくしたい」と思っていました。でも、うららに入り、やさしくすれば頼られるわけではないと知りました。その人にとって何が最善最良なのか、良い結果を導くためにどうしたらいいかを考え抜き、行動することでこそ信頼を得られるのだと。それは、受け身で得られるものではありませんでした。自ら動き、頭を打っては立ち上がりを繰り返し、自分のものになりました。うららでは、何度失敗しようが、前を向いて動いている限り、見捨てられたりしません。そんな環境だからこそ、自分自身の足で、理想の自分へ一歩ずつ近づけているように思います。会社自体もまだまだ発展途上です。試行錯誤を繰り返し、理想に向かっています。完成された会社というのがあるとするならば、私は、それより理想の会社をつくる渦中にいる今のほうが格段におもしろいと思います。だって、今後もきっとめちゃくちゃしんどいであろうその過程で、さらに強い脚力をつけ、より高く遠くに跳べる自分になれるのですから。
